2010年04月19日
『熊のことは、熊に訊け』脱稿まぢか
Tweet
ヒグマ塾の代表である岩井基樹さんに、
単行本の書き下ろしをお願いして半年。
書いてくれた原稿は、なんと50万字。
いくら一冊といえど多すぎるので、
推敲を重ねて21万字にしていただいた。
最後の打ち合わせは、北大雪の岩井さんのお宅。
自作のログは2棟。
母屋には暖房があるが、そこは今や凜の遊び場。
暖房のない離れに2泊させていただき、
上下羽毛服に身を包んで原稿とにらめっこ。
この季節になっても、北大雪の夜はマイナスになる。
さらに窓はガラスではなく、ビニール張りか夏の網戸のまま。
かなり寒い。
寒いのだが、原稿を読んでいるうちに忘れてしまった。
「ヒグマと遭ったらどうするか」
毎日ヒグマを追い掛けている人が、
ある意味命懸けの現場から報告している。
読ませていただくのは3回目だが、
何回読んでも身体が熱くなる。
なんせ風通しのよいログなので、
常に近くの瀬音がBGM。
夜はトラツグミの侘びしい鳴き声と、
朝はアカゲラのドラミングが加わる。
それとなんといっても、魁と凜。
魁は1歳、凜はまだ2ヵ月の岩井さんの愛犬。
愛犬といっても、ただの犬ではない。
岩井さんがベアドッグに育てるために教育している、
オオカミ犬。
魁は50%、凜にいたっては95%、
オオカミの血が流れている。
でも、たまらなくかわいい。
教育上、猫かわいがりしてはいけないらしいが、
つい2頭と戯れてしまう。
魁は会う度にたくましくなって、
その筋肉はやはり普通の犬とは違う。
雪原をしなやかに走るさまは、
美しさを超えて野生だけがもつ崇高さを感じてしまう。
今は無邪気な凜も魁より大きくなるというから、
岩井さんを護ってくれるにちがいない。
『熊のことは、熊に訊け』は6月には書店に並ぶ予定。
僕は勝手にシートンを超えたと思っている。
(若杉)